トップだけの役目ではない人を育てる事
秋らしくなってきた。
朝晩の冷え込みも一段となり、山々の紅葉も新聞やニュースを賑わせている。
それによって感じる寒さが一段と増すのだが・・・
さて、昨日の「硬くて柔らかい」からもう一つ。
人材育成である。
私の中で「硬くて柔らかい」の意志であり、思考でありは重要である。
この様な方を育てようと海外現地法人では頑張った。
結論だけは手前味噌であることは重々承知しているが、成功であった。
自画自賛では無く、社外の人からも「育った」とのお言葉を頂けた。
まだまだ「硬さ」も「柔らかさ」も不足しているのは自分自身も含めてであるが。
何をしたのか。
簡単である。
とにかく「良いじゃない」を連発した。
それこそミスを犯すことを分かっていても「良いじゃない」を連発した。
確かに「良いじゃない」にも語尾の下がる良いじゃないと語尾の上がる良いじゃないもある。
平行に言う良いじゃないもあった。
その時々で含む「良いじゃない」は色々とあった。
これにはある意味、何かの問題が発生した時に私が出ていけばどうとでも収集を付けられる自信が有った。
この自信が無い方に限り「良いじゃない」では無く「何を言っているんだ」になるのだと思う。
会社は人であると良く言われる。
しかし本当に人が気持ち良く働けている会社がどれほどあるのか。
最近の日本はとにかく責任を取るのを嫌がる傾向が有る。
従って「やってみよう」がほぼ無い。
何のかんのと特に製造業に関しては人事評価が減点方式のせいか。
我が社は違うと言われそうであるが、本当の加点方式のみで人事評価が実施される会社はなかなかな無いのが実態だと思う。
かく言う私も海外現地法人の実質トップ時代は気を付けていないと減点方式が頭を過った。
得たものは小さく分かりずらい事が多いためか、失ったモノばかりが目に付いてしまうのである。
これではチャレンジ精神もクソも無い。
何でもやってみろでトライし上役に怒られる。
私はそういった前向きな失敗で怒った事が無いと言うトップが舌の根も乾かない内に「何をやってるんだ」と怒り出す。
そう言えば私は社内に向け怒る事を辞めた。
怒って物事が解決した経験が無い。
怒るだけ疲れるだけだと思えた。
それでも年に1度位はキレてしまうこともあったが・・・
その時は何故自分が怒っているのかを考えると冷静になれた。
怒る原因の殆どは自分の思い通りに行っていないことに起因している。
そもそも赤の他人を自分の思い通りにしようと言う事が間違っていると考えられた。
何よりも自分の説明が悪いと思えた。
それに気が付いてからはとにかく説明する事に心掛けた。
そして何より1番怖いのは怒ることによって、ミスの打ち上げが無くなることである。
これを報告したら怒られると思えば報告しにくくなるで有ろう。
怒ってもミスは取り返せない。
ある時から意図的では無いミスに関しては褒めるようにした。
何故ならシステムのミスを見付けたのだから。
それ以降はミスが有ればすっ飛んできて報告をしてくれるようになった。
当然の様に改善も進む。
これで考える力を少しでも身に付けて頂く方策に移れるようになった。
何も考えていない自分が人に考える事を教えるも無いのだが・・・