会社トップに立つと何が変わるか
今日はこんなに寒いのに、徐々にではあるが台風が接近してきている。
週末の土曜日は天気が悪い予報になっており、またもや釣りは延期か・・・
さて、タイトルの通りである。
トップに立つと何かが変わる。
何が変わるか。
私の様にただの下っ端が海外赴任したとたんに現地法人の実質トップなどと言う事は中堅企業では珍しくもないだろう。
私が初めに1番苦労したのは税金関係である。
日本であれば経理部であったり、それなりの部署がほとんど対応してくれるであろうが、それでも最終の決済はトップである。
そして会計報告の株主総会。
そこに議長としての自分の名前が有り、決算報告書へのサインである。
何か意図せず間違いが有れば犯罪者か等とロクでもない事だけはふと考えてしまった。
いきなり犯罪者になる事は無いのだろうが・・・
それでも全く言って良い程に会計を理解していなかった当時はそう思って手が震えた。
対外的でなくとも、毎月目の前に会社のお金の数字がある。
減ったり増えたりする。
大型の買い物が有ると妙に慎重になる。
必要なのは分かるが、それで直ぐに買えとはならなくなる。
なぜか自分の買い物よりも慎重になった。
そして目の前の数字が増減していく中で、上記経理関係も分かって来ると徐々にではあるが、1回の取引でざっくりとした利益が感覚的につかめてくる。
売上数字も有るのだろうが、それよりも利益の方へ目が行くようになった。
こうなって来ると営業に対する感覚も変わる。
どうしても営業は売上の数字を追いかける傾向が強いが、そこから利益率に目が行くようになる。
入る方はともかく、同時に出す方も減らす努力が始まる。
1円たりとも自分の懐に入る訳では無いのだが、なぜか会社にお金を貯めようとしてしまう。
だから今の日本の会社は内部留保が肥大化しているのかもしれない。
単に不安なだけである。
私の様に。
もう一つ大きく変わった気がするのは人に対する評価である。
日本居れば、部下の評価と言ってもそれが直接昇給や賞与に結びつく事は少ない。
しかし嘘でも実質トップとなればその部下に対する評価が昇給や賞与にイコールとなる。
慎重になる。
エイやでは付けられない。
同時に普段から人の観察が増えた気がする。
人に対する評価の中で1番気なったのは、やはり減点方式を採用しそうになる事である。
加点方式と決めているのに。
どうしても人の欠点に目が行く悪い癖。
人としての足りなさも痛感した。
それにより、多少はそういった事も勉強せねばと妙な気持も生まれた事が変わったと言えば変わった点かもしれない。
何よりも大きく変わるのは視点かもしれない。
会社全体が俯瞰して見られるようになる。
当たり前なのだが・・・
意外と1部署に所属していると他部署は見えずらい。
減点方式では無いが、悪い所ばかりをつつきたくなる。
昔の上司も同様の事を言っていた。
人の欠点が先に目につくが、良い所を先に口に出すようにしろと。
この人の良い所に目を向ける作業は、後々に人の配置に役に立った。
長所に目を向け、日本的な欠点の直しよりも長所を伸ばし能力を発揮していただく方に注力できたような気がする。
つらつらと書いてみたがまとめると下記となる。
・税金関係に対する意識
・お金に対するシビアさ(会社のお金だからいいやがむしろ無くなった)
・売り上げだけでなく、利益率
・人の長所に目を向ける
結局これらが現在てきとうに絶賛勉強中の事に役に立っていると思っている。
この新しいトップとしての視点は意識次第で身につくような気がする。
私の様なアホでは遣らなければ身に付かないのだが。
こう考えると海外赴任でさんざん勉強させて頂いたのは私の方であった事に今更気が付いている情けない状況である。